Lesson5-2 2つの食物繊維で思い通りのスムージー

美腸を作るためには欠かせないのが「食物繊維」です。デトックスで最も大きい割合を占める排便のために欠かせないもので、美腸をつくるためには積極的に取り入れていきたい素材です。

「食物繊維」と聞くと、想像しやすいのは「ごぼう」「きのこ」「さつまいも」などのすじすじしたものが多いのではないでしょうか?実は食べ物に含まれる食物繊維には大きく分けて2つの種類があります。この2つの性質を知りうまく活用すると、スムージーのおいしさが格段にあがり、バリエーションも増えます。

今まで何をしても便秘が改善しなかった方は、もしかしたら片方の食物繊維不足が原因の可能性もあります。2つの食物繊維は体への働きも異なるので、バランスよく摂取することが大切です。

ここでしっかり学んでおきましょう。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維とは。その名の通り水に溶ける食物繊維です。水に溶けて水分をたっぷり吸収し、ゲル化するという特徴のほか、さまざまな特徴があります。

特徴

  • 水を含んでゲル化する
  • 血糖値の急激な上昇を抑える
  • 脂肪の吸収を穏やかにしたり、コレステロール値や中性脂肪値を下げる
  • 有害物質を包み込んで大腸まで運び、体外へ排泄させる
  • 便の水分量を増やし、出やすい状態の便にする
  • 腸内で善玉菌のえさとなり、腸内環境を整える

種類

  • ペクチン(水溶性)・・・果物に多く、口当たりが柔らかくなるにつれ水溶性のペクチンが多くなる。/バナナ、柑橘類の白い部分、ブルーベリーなど
  • グルコマンナン・・・主に種子、芋類に貯蔵物質として存在。/こんにゃくなど。
  • アルギン酸、フコイダン・・・海草類に多く、海藻特有のぬるぬるした成分。コレステロールを包み込んで体外に排泄したり、免疫系に効果があるものもある。/こんぶ、めかぶなど。
  • グアガム・・・マメ化植物のグアーからとれる。増粘剤、安定剤、ゲル化剤として広く使われている。

・・・など

水溶性食物繊維を多く含むスムージー食材

  • バナナ
  • 洋梨
  • マンゴー
  • パパイヤ
  • ブルーベリー
  • アボカド・・・など

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不溶性食物繊維

不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維です。繊維質としてすじすじした食感があるものが多のが特徴です。

特徴

  • スポンジのように水分を含んで、何倍にも膨らむ→イメージは「ふえるわかめ」
  • 満腹感を感じさせる
  • 便量を増やす
  • 蠕動運動をさかんにする

種類

  • セルロース・・・植物の細胞の主要成分。食品では、穀類、野菜、豆類に多く含まれ、人の消化液では消化できない。/ふすま、りんご、梨、ナッツ類、豆類、葉野菜など。
  • ヘミセルロース・・・植物の細胞壁の構成成分で、外皮に多く含まれる多糖類。/ふすま、未精製の穀物、ビーツなど。
  • ペクチン(不溶性)・・・植物の細胞壁の構成成分でセルロース同士を結びつける働きをする。ポリフェノールの一種としても知られる。/りんご、カカオ、ピーナッツなど
  • グルカン・・・きのこの主要成分である多糖類。βグルカンは、抗腫瘍、抗炎症。抗ウイルスなどの効果があるといわれている。/きのこ類など。
  • カラギーナン・・・海草類に含まれる。食品その他の工業で、ゲル化剤、増粘剤、安定剤などとして使用される。

不溶性食物繊維を多く含むスムージー食材

  • グリーンの葉野菜
  • 柑橘類の中袋
  • パイナップル
  • ピーマンやパプリカ・・・など

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食物繊維それぞれの名前をひとつひとつ覚える必要はありません。食材とリンクさせて、食物繊維の違いをイメージしながら感覚で覚えていけば大丈夫です。

食物繊維をマスターしてイメージ通りのスムージーを作る

グリーンの葉野菜に含まれる食物繊維は主に不溶性で、フルーツは不溶性を多く含むものと水溶性を多く含むものに分類されます。スムージーを作る際は、この2つの食物繊維の特徴を知っていると、よりおいしいスムージーが作れます

水溶性食物繊維が多いスムージー

水溶性食物繊維が豊富な食材を使ったスムージーは、濃度が濃くなり、とろりとリッチなテクスチャーのスムージーとなり、デザートタイプのスムージーにしたい場合はおすすめです。

また、少しでも水溶性の食材を入れると分離しにくく、初めての人にもおいしく感じられるスムージーが作りやすくなります。

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不溶性食物繊維が多いスムージー

不溶性食物繊維が多い食材を多く使用すると、さらさらしたテクスチャーのスムージーに仕上がります。あっさりしたスムージーにしたい場合はおすすめです。分離しやすくなるので、食べる際はかき混ぜたり、容器にいれて振るなどして混ぜるとよいでしょう。

食物繊維の摂取目安量

「食物繊維はたくさん摂取したほうがいい」
なんとなくそんなイメージはありますが、では具体的にどれくらい摂取するのがよいのでしょうか。

厚生労働省の摂取基準では、食物繊維は1日に男性で19g以上、女性で17g以上が摂取目標値となっていますが、現代は平均10g〜12gしか摂取できていないというデータがあります。少し足りないくらいかなと思いきや、アメリカでは摂取基準自体が多く30gが目安という数字もありますので、現代の食物繊維摂取量は圧倒的に不足気味と考えてよいでしょう。

肉類、魚類、乳製品には食物繊維が含まれていません。食の欧米化により動物性タンパク質の摂取割合が増えたこと、野菜や未精製の穀類の摂取量が減少したことなどが、食物繊維摂取量不足の理由としてあげられます。

デトックスを促すには、食物繊維量を増やすことが重要です。また食物繊維を摂取する際も、水溶性と不溶性のバランスが大切です。理想的な2つの摂取バランスは、下記のようになります。

水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2

不溶性の食物繊維は、サラダや芋類など普段の食事でも取り入れやすいですが、水溶性の食物繊維は意識して摂取しないと特に不足しがちです。果物には水溶性が豊富なものが多いため、スムージーとして取り入れることで、全体的な食物繊維の摂取量も増え、自然とバランスがとれて、美腸へ効果的にアプローチできます。

Lesson5-2 まとめ

  • 食物繊維はデトックス力を高めるために必要不可欠なものである。
  • 食物繊維には、その性質の違いにより水溶性と不溶性がある。
  • 食物繊維の違いで、完成するスムージーのテクスチャーも変わる。
  • 現代の日本人は食物繊維摂取量が不足している。水溶性と不溶性をバランスよく、スムージーでしっかりと量も摂取することが大切。

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